事務系のジェネラリストとして、いくつかの部門を経験し、
30歳近くになりました。
渡辺和彦さんは、地元の人と結婚し、地元に住みたいと考えています。
しかし、地元からは、今勤務している本社には通えません。
ところが、渡辺和彦さんは、将来、こういうこともあろうかと、
実家から通えるところに工場を持つ会社に就職していたのでした。
渡辺和彦さんが使える人間であると組織から判断されていれば、
わりとすんなりと、異動の希望は叶うでしょう。
所属部門長から見込まれていれば、引き止められるでしょうが、
家庭の事情に色を付けて、異動が駄目なら会社を辞めるしかなくなってしまう…と訴えれば、
普通の会社は異動を認めてくれるものです。
但し、あくまでもキーポイントは、
渡辺和彦さんが組織で「使える人材」である…と
認められていなければならないということです。渡辺和彦さんが組織で「使える人材」である…と
ですから、将来、勤務地を選ぼうと思ったら、
組織内での評価を高くしておかなければいけません。
もうひとつ大切なことは、なるべく多く、
地元の事業所に、仕事をつくって出張しておくことです。
出張先である地元の事業所から、存在を認識され、
人物を理解してもらっておくことは大変重要です。
その前提条件2つがクリアされていれば、異動はまず成功するでしょう。
異動するとき、その事業所が会社の本体組織に組み込まれていれば、
普通の異動で済みます。
しかし、子会社である場合は、出向か、転籍か、という問題になります。
どちらにもメリット、デメリットはありますので、
次章以降に、その点を考えてみましょう。
将来、転職せずに地元に帰りたい…と思う可能性のある人は、
以上のようなことを考えて企業選びをすることが求められます。